現在位置: 指紋鑑定付き遺言書 >> 絶対確実な遺言書

目次

1 現状・実態
2 今日の課題
3 遺言には知恵が必要
4 筆跡鑑定書があってもなぜもめる
5 指紋押捺(鑑定)付き遺言の意義とは
6 当初の遺言を変更したい時はどうするか
7 遺言書指紋鑑定

1 現状・実態

 遺言はなぜするのか。その背景を大きく分けると、自分の意思を反映させることと没後の財産を円滑に継承することである。 しかし、あなたの意思が没後完全に達するように何か対策をしているだろうか。今日の遺言をめぐる裁判・紛争は、何といっても、遺言者自身による相続紛争の防止策が何一つなされていない、ということが最大の原因である。
 遺言をめぐっては、「いつだったか、父が遺言を書いておくと言っていたが、どこにもない。誰か隠したんじゃないか」とか、あるいは「この遺言書は、おかしい。母の字ではない。」と疑心暗鬼になって争う事例がある。

 ここで取上げるのは「遺言書」の真偽をめぐった争いを未然に防ごうというものである。一旦争いになると、身内だけに感情が先走って骨肉の争いに発展し、しかも裁判沙汰になると深刻かつ長期化する様相を呈している。特に、遺産が高額になればなるほど相続分が欲しくなるのは世の常なので、そこに問題が生じ、現実の裁判事例や鑑定事例がこれを如実に物語っている。
 そして、一番問題なのは、争い事が発生した時点では当の本人が墓の中であるため全く知るよしもないし、また、遺言者は既にいないからどちらが本物なのかを証明することが困難なことである。だから、遺言をする人も、しない人も、もっと先見の明を持って親族の固い絆を維持するように偽造防止を配慮する道義的責任があるといってもいいだろう。そこで、生まれたのが「指紋押捺(鑑定)付き遺言書」である。あなたとあなたの家族が築いてきた大切な財産を後世に活かす必要がある。

2 今日の課題

今、鑑定事例からたどると自筆証書遺言をめぐる問題として次の3つが見られる。

①はたして本人が書いたものかどうか真正=本人性が不確かであること。
②偽造遺言書が出現していること。
③裁判や紛争が高額な費用、長期化、親族間の遺恨などで深刻化していること。

では、これらの内容をみて見てみよう。

①は、本物の自筆遺言書が、「普段の親の字ではない」といった指摘が出されて紛糾し、これを証明するのに大変な苦労と期間を要したというものである。遺言書を書いた人と遺言者が同じ人かどうかは誰かが疑いだしたらきりがないこと。

②は、没後しばらくして突然遺言書が出てきたので内容を確認すると、どうも特定の遺言者に有利になっていて「おかしい」ということから裁判になり、有利な人が筆跡鑑定したところ、「本物である。」ということになった。それに対抗して不利な人が別の筆跡鑑定人に鑑定してもらった結果、「偽物である。」という全く反対の鑑定結果が法廷に出されて裁判官も苦慮しているというのがある。

③は、遺産相続をめぐる紛争は、裁判、調停をはじめ表面化しない争いを含めると相当数に上っている。そして、避けて通れないのが、紛争解決の費用、長期間紛争、親族間の遺恨である。裁判になれば、弁護士、鑑定費用など諸費用含めて最低でも150万円以上はかかってしまう。それにもまして懸念されるのが親子・兄弟・親族がバラバラになっていくことで、お金には代えられないできごとである。残された遺族にとっては、裁判に勝っても負けても親族間の遺恨に心が休まらない。

 では、これらの現象は、どうして発生するのか。単純に考えてみると、結果として現在の遺言制度が完全に真実を反映するようにはなっていないことを示している。今の制度は、全文手書きをもって「本人が書いたもの」という前提に成り立っており、他人が書いたものである可能性を考えていないのである。制度が完全なものならば、紛争の起きようがない。 そして、遺言者に、このような現実が生じるのは、没後であるので知るよしがないため、生前の対策に気が回っていないのではないかと思われる。確かに、相続などの民事事件は、刑事事件ほど注目されないからいくら裁判に発展してもほとんどの方に知られないことが現実である。そのため、対策にうとくなりがちになっていると思われる。これを解消するために、国家機関として「公正証書遺言」を設けているが、それでも現実には紛争が絶えない。その点、鑑定人には、全国から筆跡、印鑑、指紋、特異筆記用具などの遺言書の鑑定依頼が集中するので現実の傾向がわかる。その結果、遺言者は、自分の親族に限って「うちに限って、そんなことは大丈夫だ」という性善説の考えから対策をしていなようである。
 そこで、今の課題は、これら3つの問題点を同時に解消する方策はないか、ということが求められている。

3 遺言には知恵が必要

 次の問題は、これら争いの種をピシャリと押さえる方策は何か、である。そこで登場するのが指紋である。 いつも問われるのは「本人が自分の意思でほんとうに書いたのかどうか」であるが、今の裁判や紛争に「指紋鑑定書」があれば、 一発で解決するものばかりである。表記の「指紋押捺(鑑定)付き遺言」は、このような鑑定事例から逆算して誕生したものである。 これらの用例は、他でも見られる。例えば、宝石の売買に「鑑定書」が付いていることや、生命保険も没後の経済的救済を考えてのことだから同じような趣旨だといえるだろう。 これらは、争うまでもなく信頼性を事前に確保していることに他ならない。

4 筆跡鑑定書があってもなぜもめる

 現在、遺言書の真偽について判定するのは、もっぱら筆跡鑑定に委ねられている。では、筆跡鑑定が絶対確実か、というとそうではなく、実際の裁判では、同じものを鑑定しても、方や「本物です。」、他方は「偽物です。」と分かれて争われ、更に、第三鑑定人は「判定不能」となっては間に入った裁判官の苦慮するのが目に見える。
 その要因は次のとおりである。人の筆跡には5通りあるといわれており、それは①老い等年齢変化、②病気等による体調変化、③偽造文書等の偽筆韜晦文字(ぎひつとうかいもじ・似せて書くこと)、④ストレス等による心の大きな変化、⑤記具・天候・季節等の外的変化、の5つである。筆跡鑑定は、この5つを見抜いて真の書き癖=個性で判断する。だから、本物が病気や老いによって偽者と見られたり、偽者が偽筆によって本物と見られたりする。
 これは、筆跡が鑑定人の能力によって左右される部分が大きいことを意味している。すべての筆跡鑑定人が、これら5つの変化を見抜いて常に信頼できる鑑定をしているか、というと必ずしもそうではない。現実に合否の衝突する裁判事例が物語っているように必ずどちらかが間違っている。事例からみて、筆跡鑑定の場合は、鑑定人の選択がとても大切になってくる。
 なお、印鑑については、三文判でも有効だから絶対の信頼には至らないのが現実である。また、印鑑偽造も精巧なものが出現しているのでなおさらである。

5 指紋押捺(鑑定)付き遺言の意義とは

 遺言の種類には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言がある。秘密証書遺言はあまり利用されていないと言うから、以下、2つの方法を中心に見る。

(1)【自筆証書遺言】の場合
 自筆遺言証書は、文字通り自分ひとりが書いて自分で保管するから簡単にできる。しかし、本当に本人が書いたものかどうか信頼が疑われることがある。このため争われるときの証明は、もっぱら筆跡鑑定に委ねられる。

自筆遺言証書の法的有効条件は、以下の3つである。

① 全文自筆(手書き)であること(任意性の確保)、
② 日付があること(時期の特定)、
③ 本人署名、押印があること(意思の確認)、

 ここの最大の課題が「本人性の証明」である。①~③は確かに「人」が書いたことは分かるが、「書いた人」と「遺言者」が同一人かどうか、である。現在、もっぱら①~③で推定されている。しかし、筆跡も前述のようにもめる場合があり、絶対的な証明ではなく、完全ではないのです。
 そこで、当職が考える「指紋押捺(鑑定)付き遺言」とは、①~③の法定条件に加えて次の仕掛けをし、書いた時点の「本人存在証明」を明らかにして総合観察から「本人性の証明」をしようとするものである。「指紋押捺(鑑定)付き遺言」も遺言書と同時に存在していたことを証明して「確かに本人が書いた」ことを推定するものである。その仕掛けは、次のとおり。

④ 署名の下に自分の指を2本揃えて同時に2個の連続指紋(どの指の組み合わせでもよい)を押し、遺言書末尾には「以後、指紋押印がないものは無効である。」と明記する。
⑤ 遺言者本人の10本の指紋を押した指紋原紙を作成する。
⑥ その指紋原紙と指紋押捺してある遺言書を保管する。必要によりその遺言書の指紋と指紋原紙から「指紋鑑定書」を作成し、確認した後封印して保管する。
⑦ 上の④から⑥を書面で契約締結しておく。

 こうすることによって、本遺言書が書かれたときには、その場に遺言者本人がいた存在証明が得られ、本人性が証明できる。

(2)【遺言を全く考えていない】ときの場合

 そろそろ遺言書を作る年齢にさしかかっている人達に話しを聞くと「私の家に限ってそんなことはない」とか「私の家にはそんなにわけるほどの財産がない」などと言ってなかなか遺言書を作ることに消極的になっているようである。 しかし、遺産相続とはそうではない。どんなに財産が少なくても、自分が築きあげてきたものを家族に有効に使ってもらうためのものであり、自分の生きた証を家族に知るせるものです。なのに、それが原因になって争いが起こるなんてもってのほかであります。 だから、遺言が必要なのです。仲の良い家族ばかりとは限らないからやっかいであるし、高額の金銭がからむと人は変わる場合がある。 「相続は人を狂わせる」といわれるのは、そのためである。その手段として偽造遺言書が出てくる。 この動機は、「自分が欲しい」「あの人にはやりたくない」という2つがある。

 現実の鑑定事例は、自分に有利にしようとする者に、偽造防止の対策が何もないから偽造遺言書が出現してくる隙間を与えていることにほかならない。 本人が書いたことを証明しようにも、とき既に遅く、本人は墓の中ですから、もちろん、この事実を知るよしもない。 この間隙をついて偽造遺言書が出現してくるのである。偽造をするときは、誰が見てもはっきりとわかる字体で書く人はあまりいないから、 かなり似せて書いている。そうすると、疑心暗鬼の泥沼にはまってしまう。

(3)【公正証書遺言】の場合
 公正証書遺言とは、各都道府県には公証役場がある。そこに公証人という人物がいるので、その人の前で遺産をどのように分けたいか口頭で説明すると、そのように文章にまとめて書類にしてくれる。それが公正証書遺言である。なので、公証人が証明してくれるから、自筆遺言証書のような方法を取らなくても心配はない。しかし、万が一公正証書遺言内容を撤回する旨の自筆証書遺言が出現するとこちらが優先してしまう。
 さらに、公正証書遺言の場合は、立会人2名を用意しなければならなかったり、後で変更する時の手間が多いのが現状である。

6 当初の遺言を変更したい時はどうするか

 前回の自筆証書遺言を変更したい時は、前の遺言書を取り消すために新しい変更遺言を作成した方が望ましい。新しく作成した遺言書をそのまま持って、来社していただけるか、郵送してもらえれば、指紋の遮蔽等必要な処置を行います。そして、何度か変更があった場合、一番最後のものが有効な遺言書として扱われる。

7 遺言書指紋鑑定

 当事務所では、公正を担保するため別紙のとおり「遺言書指紋鑑定」を用意している。言ってみれば、あなたの没後の「意思の保険」に当たる。当職が遺言の書き方から偽造防止まで、当事務所は総合的な相談に応じているので、これから遺言を考えている方も、考えていない方も、それこそ、一生にたった一度で最後の仕事である。

 今の制度では、巧妙な偽造を完全に発見することが事実上困難なため、紛争や裁判が絶えないのである。だから、筆跡鑑定に加えて何かを必要としている。そこで、指紋が、“分離できない唯一無二”であることと、指紋だけはまだ完全に偽造ができないからここに焦点を置いたものである。これまでは、自分の親族に限って心配ない、との「性善説」がほとんどだと思われるが、現実に、あなたが没する前と後では、力関係と感情の状況が一変する。いわゆる親族への「性善説」は、本人の希望であって没後の保証になるとは限らないからやっかいである。先人の例えのように、多くの鑑定事例から“人の振り見て我が振り直せ”を実践し、“備えあれば憂いなし”の先手必勝の心構えで作成すれば相続紛争は激減するだろう。