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個人識別
人を識別するには、形式的識別法と実体的識別法があります。 形式的識別法とは、証明書等している者、又はそれを提示した者が本人であるとします。 例えは、身分証明書、運転免許証、パスポートなどです。実体的識別法とは、本人の密接不可分なものによって個人を識別する方法です。例えば指紋、顔写真、筆跡などです。 このうち、顔写真、筆跡は必ずしも、個人の特定において確実的ではありませんが、指紋は絶対的な識別法として、ゆるぎない存在となっています。 それ故に、世界各国で警察鑑識に指紋を使用していない国はありません。
皮膚紋理
人の皮膚には、無毛皮と有毛皮があります。無毛皮の場所は手の掌、足の底、唇ですが、唇以外は、表皮が 一定間隔で隆起した線によって様々な紋様を構成しています。この線が、指紋線と言われるものであります。指紋線には汗腺口があり、ここから汗、脂肪などを分泌して生理作用を営んでいます。この指紋線と湿潤の役割は、物がすべらないようにするための働きをしているわけです。
無毛皮にある紋様は皮膚紋理と呼ばれ、その場所によってそれぞれ次のように呼び方が区別されています。
- 指の未節部-指紋
- 指の未節部と掌部の間-中節紋
- 手の平の部分-掌紋
- 足の底-足紋
これらの皮膚紋理は、いずれも指紋と同じ特性をしていて、もちろん個人を特定することができます。
指紋の特性
指紋には、万人不同の原則、終生不変の原則、均一走行の原則、原型再生の原則の4大特性があります。(1) 万人不同の原則
万人不同とは、それこそ世界を探しても同じ指紋を有するものは存在しないし、遺伝もしない ということです。 加えて同じ人が有する左右10本の指の指紋もすべて同じものがありません。 これを万指不同といいます。 しかし、この特性は、誰も確かめた人はいませんし、また不可能です。これは過去の歴史からみて 様々な鑑定例の蓄積によって培われた、非常に確からしい推論なのです。
併せて、これらのことは 地上にあるすべての創造物が千差万別な形態をしていると言います。例えば、自然界には一枚の葉っぱでも全く 同じ物が存在しない、とする説もあり、不同性は、動物界、植物界を通しての原理とされています。 但し、親子、兄弟姉妹間では、紋様の構成、すう勢が大変似ることはありますが、もちろん別個の指紋であります。
(2) 終生不変の原則
人は、もって生まれた指紋は、一生変わることはありません。 もっとも、子供のころと大人になってからでは、指紋の大きさこそ異なりますが、指紋の保持する 固有の特徴は、 変わりなく配置されております。これは、幾多の参考例を積み重ねてみても、 相違点はありません。
(3) 均一走行の原則
指紋線と指紋線の間隔は、常に等しくなっています。そのため、指紋線と指紋線の間が異常に広がったり、ものすごく太い指紋線の出現や細かい指紋線の出現はありえません。 また、この「均一定行の原則」は当職が必要により命名して使用している語句であり、知る限り警察庁刑事局鑑識課の作成文献である「犯罪鑑識」には明記されていません。 しかし、警察実務者は、日常的に周知している事柄であるので鑑定には適用されている。
(4) 原型再生の原則
表皮(皮膚の表面)がはがれたり、磨耗したりしても、その下の真皮(皮膚の内側)によって同じ紋様が自然に再生することをいいます。 しかし、真皮が傷つけられたり、破壊されると表皮は自然に回復が不可能となります。 したがって、今後はその傷が後天的特長となり、識別していく時の特徴となります。この用語も、また当職が命名したものです。
