指紋の概要
1.個人識別

人を識別するには、形式的識別法と実体的識別法があります。 形式的識別法とは、形式的な文章を所持している者、又はそれを提示した者が本人であるとします。  例えは、身分証明書、運転免許証、パスポートなどです。実体的識別法とは、本人の密接不可分なものによって個人を識別する方法です。例えば指紋、顔写真、筆跡などです。 このうち、顔写真、筆跡は必ずしも、確実的ではありませんが、指紋は絶対的識別法として、ゆるぎない存在となっています。 それ故に、世界各国で警察鑑識に指紋を使用していない国はありません。

2.皮膚紋理

 人の皮膚には、無毛皮と有毛皮があります。無毛皮の場所は手の掌、足の底、唇ですが、唇以外は、表皮が 一定間隔で隆起した線が様々な紋様を構成しながら発現しています。この線が、隆線と言われるもので、 その1本の隆線の皮下組織には、2本の突起状になった乳頭線があり、これを真皮と呼んでいます。 隆線には汗腺口があり、ここから汗、脂肪などを分泌して生理作用を営んでいます。 この隆線と湿潤の役割は、物がすべらないようにするための働きをしているわけです。 無毛皮にある紋様は皮膚紋理と呼ばれ、その場所によってそれぞれ次のように呼び方が区別されています。

  ・指の未節部−指紋

  ・手の掌部−掌紋

  ・指の未節部と掌部の間−中節紋

  ・足の底−足紋

 これらの皮膚紋理は、いずれも指紋と同じ特性を有していることはもちろんです。

3.指紋の特性

 指紋には、万人不同、終生不変の2大特性があります。

(1)万人不同

  万人不同とは、それこそ世界を探しても同じ指紋を有するものは存在しないし、遺伝もしない ということです。加えて同一人が有する左右10個の指紋もすべて同じものがありません。 これを万指不同といいます。しかし、この特性は、誰も確かめた人はいませんし、また不可能です。これは過去の歴史からみて 様々な鑑定例の蓄積によって培われた、非常に確からしい推論なのです。併せてこれらのことは 地上にあるすべての創造物が千差万別な形態をしていることや、自然界には一枚の葉っぱでも全く 同じ物が存在しない、とする説もあり、不同性は、動物界、植物界を通しての原理とされています。 但し、親子、兄弟姉妹間では、紋様の構成、すう勢が大変似ることはありますが、もちろん別個の指紋であります。

(2)終生不変

  人は、もって生まれた指紋は、一生変わることはありません。 もっとも、子供のころと大人になってからでは、指紋の大きさこそ異なりますが、指紋の保持する 固有の特徴は、変わりなく配置されております。これは、幾多の参考例を積み重ねてみても、 相違点はありません。また、特徴を形成する隆線は、その間隔がすべて同じです。隆線は曲折、接合しながらも 隆線と隆線の間、すなわち隆線溝が同じ巾で分布しています。これらも前述のとおり、すべて原理とされています。

(3)指紋の種類

  指紋の種類は次の4つに分かれます

  ア 蹄状紋

  イ 渦状紋

  ウ 弓状紋

  エ 変体紋−ア〜ウまでのいずれにも属さないもの

分類すれば上の4つですが、発現頻度は、蹄状紋、渦状紋、弓状紋がほとんどと言ってよく、 変体紋は極めて少ない存在です。


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